【徹底解説】ブルーレイの音声抽出は違法?逮捕される?個人利用ならOKの境界線とリスク
要約: 本記事では、ブルーレイ音声抽出がどこから違法になるのか、逆にどうすれば安全に楽しめるのかを、著作権法の考え方と具体的なケースに沿ってわかりやすく整理します。やりたいことを安心して実現するために、まずは“線引き”を一緒に確認していきましょう。

「大好きなアーティストのライブBlu-ray、家で観るだけじゃもったいない!」 「このライブ音源をスマホに入れて、通勤・通学中にも聴きたい……」そんなふうに思ったことはありませんか? ネットで検索すると便利な「リッピングソフト」や「音声抽出ツール」の情報がたくさん出てきますが、ここでふと頭をよぎるのが「これって法律的に大丈夫なの?」という不安ではないでしょうか。
結論からズバリ申し上げます。
市販のブルーレイに施されている「コピーガード(技術的保護手段)」を解除して音声を抽出することは、たとえ個人で楽しむ目的であっても、現在の日本の法律では「違法」となります。
「自分だけで聴くなら『私的利用』だからセーフじゃないの?」 「昔はレンタルCDをMDやiPodに入れていたけど、ブルーレイは違うの?」こういった疑問を持つ方のために、この記事では複雑な著作権法の話を噛み砕いて解説します。
結論|ブルーレイの音声抽出は「私的利用」でも違法になりやすい
そもそも「音声抽出(リッピング)」とは、ディスクの中にあるデジタルデータをPCなどの端末に取り込む行為を指します。
「え? でも友達にあげるわけじゃなくて、自分だけで聴くなら『私的利用』だからセーフじゃないの?」
そう思うのは当然です。実際、著作権法には「私的使用のための複製」という権利が認められています。例えば、あなたが購入した音楽CDをiTunesに取り込んでスマホで聴くことは、基本的に合法です。
しかし、ブルーレイ(およびDVD)の場合は、話がまったく別になります。
その理由は、2012年の著作権法改正で定められた「技術的保護手段(コピーガード)の回避」というルールにあります。
「コピーガード」という鍵を壊すのがNG
市販のブルーレイディスクには、映像や音声が勝手にコピーされないよう、強力な暗号化技術(AACSなど)が施されています。これを「技術的保護手段」=通称コピーガードと呼びます。
法律では、以下のように定められています。
「コピーガードが施されたディスクの保護機能を専用ソフトなどで解除してデータを吸い出す行為は、たとえ私的利用の目的であっても違法とする」

―出典:文化庁
つまり、ブルーレイから音声を抽出(リッピング)するには、必ずこの「コピーガード」を解除・回避する工程が必要になるため、その行為自体が法律のNGラインを踏み越えてしまうのです。
- 音楽CDの場合:基本的にコピーガードがないため、私的利用ならコピーOK。
- ブルーレイの場合:コピーガードがあるため、それを外すツールを使った時点で、私的利用でも違法(権利侵害)。
これが、ブルーレイの音声抽出がダメな理由の核心です。
違法になる具体的なケース
ここからは、「実際にどんな状況だと違法になりやすいのか」を、よくあるパターンに沿って整理します。
1. コピーガード(AACS/BD+など)を回避して音声抽出した場合
市販・レンタルのブルーレイには、ほぼ例外なくAACSなどの暗号型コピーガードがかかっています。ブルーレイディスクの暗号化を解除してデータをPCに移します。 音声だけを抜き出す場合でも、映像ごと抜く場合でも、「ガードを解除している」ため完全に違法です。
- 音声だけを抜き出す目的
- 自分のスマホで聴くだけのつもり
…であっても、回避を伴う時点で「私的複製の保護外」に落ちるのが最大の注意点です。
2. レンタル/借り物/友人のディスクから抽出した場合
「自分で買ったディスクじゃないけど、家で聴くだけだから…」と思いがちですが、
- レンタル品
- 友人・知人から借りたもの
- 図書館などの貸出品
といった“自分が権利を持たない原本”からの複製は、そもそも私的複製の趣旨(閉鎖的な私的領域での零細な複製)とズレやすく、違法と判断されるリスクが高まります。
加えて、これらのディスクにも通常はコピーガードがあります。結果として、「出所の問題」+「ガード回避の問題」が重なってアウトになりやすいケースです。
3. 画面録画ソフト(キャプチャソフト)を使って、音声を保存する場合
PCでブルーレイを再生し、それを画面録画ソフトで保存しようとする場合です。 多くの再生ソフトは、録画ツールが起動すると画面を真っ暗にする制御(オーバーレイ制御など)をかけています。これを無理やり突破して録画・録音できるツールは、「技術的保護手段の回避」に該当する可能性が極めて高く、違法となるリスクがあります。
4. 抽出した音声を配布・共有・アップロードした場合
これは最も分かりやすく“黒”です。
- 家族や友人にファイルを渡す
- クラウド共有リンクを送る
- SNS/動画サイトにアップする
- どこかに“置いておくから取って”と公開する
こうした行為は、私的使用の範囲を超えて公衆への提供(頒布・公衆送信)になり、典型的な著作権侵害になります。
「無料だから」「少人数だから」という理由では正当化されません。
5. 抽出音声を編集して二次利用した場合
たとえば、
- 映画のセリフを切り出して動画に使用
- ライブ音声をBGMにして配信に載せる
- 効果音や音楽を加工して作品に組み込む
といった使い方は、複製に加えて「翻案・二次利用」や「公衆送信」に踏み込む可能性が高いです。仮に抽出自体がグレーだったとしても、公開・配信した時点で違法性はさらに強くなります。
法的リスクのない合法なケース
「それじゃあ、パソコンでブルーレイの音声を扱うことは全部ダメなの?」 と不安になるかもしれませんが、そうではありません。
違法になるラインは「技術的保護手段(コピーガード)を解除したかどうか」にあります。裏を返せば、このコピーガード解除を伴わない以下のケースであれば、法的リスクを負うことなく合法的に音声を抽出・保存することができます。
1. 自作のブルーレイやコピーガードのないディスク

- 【判定:完全に合法】
あなたが撮影したホームビデオ(結婚式、運動会、旅行の記録など)をブルーレイに焼いた場合、そこには通常、市販品のような強力なコピーガードはかかっていません。
- 対象: 自分で作ったBD、コピーガードをかけずに配布されているインディーズ作品など。
- 方法: この場合であれば、「DVDFab」などのリッピングソフトを使って音声を抽出しても、保護手段の回避(違法行為)には当たらないため合法です。
「リッピングソフトは持っているけど、違法に使いたくない」という方は、こうした「自作ディスクのバックアップや整理」に活用するのが本来の正しい使い方です。
2. アナログ録音(PC等の再生音を外部機器で録音)

- 【判定:現状は合法(セーフ)】
デジタルデータを直接吸い出す(リッピング)のではなく、「再生されている『音』を録音する」という方法は、コピーガードを「解除」も「回避」もしていないため、違法にはなりません。
- 方法A(外部機器): PCやテレビのスピーカーから流れる音をスマホのボイスメモやICレコーダーで録音する
- 方法B(内部録音): PC上でブルーレイを再生し、Windows標準の「ボイスレコーダー」や、Audacityなどの波形編集ソフトを使って、PC内で流れている音(ステレオミキサー)を録音する
この方法は「アナログの穴」とも呼ばれ、手間がかかり音質もデジタル抽出には劣りますが、法的なリスクを回避して音源化する「最後の砦」と言える手段です。
3. 公式に提供されているデジタルコピーの利用

- 【判定:推奨】
もっとも安全かつ、高音質なのがこの方法です。 最近のライブBlu-rayやDVDには、購入者特典として「スマホで視聴できるダウンロードコード(プレイパス、スマプラなど)」が付属しているケースが増えています。
これらは権利元が公式に許可している複製方法ですので、堂々と利用できます。 「音声抽出ソフトを使わなきゃ」と思い込む前に、まずはパッケージの中にコードが書かれた紙が入っていないか確認してみましょう。
4. 著作権者の許諾・利用規約で明確に認められている場合

- 【判定:現状は合法】
作品の権利者や配給元が、
- 付属のデジタルコピーコード
- 公式アプリでのオフライン視聴・音声利用
- 明示的な二次利用ライセンス
など、“この範囲なら取り出して使っていい”と許可している場合は、その許諾の範囲内で利用できます。私的複製の例外というより、そもそも権利者がOKと言っているので適法という整理です。
合法・安全にブルーレイの音声抽出方法
高音質でデータを扱いたいというニーズに対して、世界的に最も知名度が高いのが「DVDFab Blu-ray リッピング」というソフトで合法・安全にブルーレイの音声抽出方法をご紹介します。
なぜ「DVDFab」が選ばれるのか
DVDFab Blu-ray リッピングは、Blu-rayディスク/ISO/フォルダを読み込み、MP4やMKVなどの動画形式だけでなく、MP3・FLAC・AAC・WAVなど音声形式として出力する“音声抽出”にも対応した総合リッピングソフトです。
- Blu-rayの音声をMP3/FLAC/WAV/AACなどのの形式に変換可能
- コーデック、サンプルレート、チャンネルなどの詳細設定ができる
- Blu-rayの音質を劣化させずにそのまま(ロスレスで)抽出できる
- GPUアクセラレーションとバッチ処理で50倍速を実現可能
- 長年の運営実績があり、安全性が高い
DVDFab Blu-ray リッピングでBD音声を抽出する方法(手順)
ここからは、DVDFab Blu-ray リッピングを使って Blu-rayから音声だけを取り出して保存する基本手順を紹介します。
手順1:DVDFabを起動し、「リッピング」を選択して、Blu-rayを読み込む
DVDFabを起動して、「リッピング」をクリックします。PCのドライブにBlu-rayディスクをセットします。中央の「+」ボタンからISO/フォルダを追加できます。

手順2:出力プロファイルで「音声形式」を選ぶ

プロファイル(出力形式)▼をクリックして、表示されたメニューから「他のプロファイルを選択」を選択して、「オーディオ」カテゴリへ進み、目的の形式を選びます。
- MP3で軽く持ち歩きたい → MP3
- 音質重視で保存したい → FLAC(Hi-Fi)/ WAV
- iPhoneや汎用性重視 → AAC

手順3:抽出したいタイトルと音声トラックを指定して、音声の品質を設定(必要に応じて)
作品内に複数のタイトル(本編/特典など)がある場合、メインムービーや必要なチャプターを選択して、「音声(オーディオ)」欄で、抽出したいトラックをチェックします。
例:日本語DTS-HD、英語Dolby TrueHD、コメンタリーなど。不要な字幕/映像トラックは解除して、音声のみ残す設定にします。
「詳細設定」から以下を調整できます。

- ビットレート(例:MP3なら192〜320kbps)
- サンプルレート(44.1kHz / 48kHz など)
- チャンネル(ステレオ / 5.1ch など)
ライブ音源を“できるだけ高音質で残したい”人は、FLACやHi-Fi系のプロファイルを選ぶのが定番です。
手順4:保存先を指定して「開始」を押す
画面下の保存先フォルダを指定します。「開始」ボタンを押すと、ブルーレイの音声抽出(変換)がスタートします。

完了後、指定したフォルダにMP3/FLACなどの音声ファイルが生成され、スマホ転送やプレイヤー再生が可能になります。
ブルーレイの音声抽出はバレる?

「自宅のパソコンでこっそり作業するだけなら、誰にもバレないのでは?」
正直なところ、これが一番気になるポイントではないでしょうか。 結論から言うと、あなたがオフラインの環境でひっそりと作業をしているその瞬間に、警察が踏み込んでくる可能性は限りなく低いです。
「バレた」という事例のほとんどは、このケースです。 抽出した音声ファイルを保存したフォルダが、意図せずファイル共有ソフト(Torrentなど)や、公開設定のままのクラウドストレージと同期されていた場合です。
こうなると、そのファイルはネット上に拡散され、著作権管理団体や警察のサイバーパトロールに即座に検知されます。 「自分は私的利用のつもりだった」という言い訳は通用せず、違法アップロード(公衆送信権侵害)として捜査対象になります。
ブルーレイの音声抽出に罰則はある?(民事/刑事の違い)
「個人でこっそりやる分には、警察が家に来るわけじゃないし大丈夫でしょ?」
リッピングを検討している方の中には、そう考える人もいるかもしれません。 ここでは、現在の日本の法律における「罰則」の有無と、絶対にやってはいけない「レッドライン」について解説します。
「刑事罰」と「民事上の責任」の違い
少し難しい話になりますが、法律違反には2種類のリスクがあります。
- 刑事罰(けいじばつ):警察に逮捕され、懲役や罰金が科されること。
- 民事(みんじ):権利者(メーカーやアーティスト)から訴えられ、損害賠償を請求されること。
リッピングだけなら「刑事罰」はない(現状)
意外かもしれませんが、現在の著作権法では、私的利用の範囲でコピーガードを外してリッピングする行為そのものには、「刑事罰」は設けられていません。つまり、自宅でこっそりリッピングしただけで、いきなり警察に逮捕される可能性は限りなく低いです。
しかし「民事上の責任」は問われる可能性がある
「じゃあやってもいいの?」というと、答えはNOです。 刑事罰がないだけで、法律違反(違法行為)であることに変わりはありません。 もしあなたの行為が発覚した場合、著作権者から「違法コピーによって正規の商品が売れなくなった」として、民事上の損害賠償を請求されるリスクは理論上ゼロではありません。
「罰則がないからやっていい」ではなく、「ルール違反だが、たまたま見逃されているだけ」という認識を持つべきです。
絶対にNG! 一発アウトになる「レッドライン」
もっとも恐ろしいのは、軽い気持ちでリッピングしたデータを、自分以外の第三者に渡してしまった時です。
- 抽出した音源を友達にLINEやメールで送った。
- Googleドライブなどのクラウドに上げて共有した。
- YouTubeやSNSに「好きな曲まとめ」としてアップロードした。
これらを行った瞬間、「私的利用」の枠を超え、「複製権侵害」や「公衆送信権侵害」という重大な犯罪になります。 この場合は「10年以下の懲役」または「1000万円以下の罰金」(またはその両方)という非常に重い刑事罰の対象となります。
まとめ
今回は、ブルーレイの音声抽出(リッピング)の違法性とそれに伴うリスクについて詳しく解説してきました。
記事のポイントを改めて整理します。
違法と合法の境界線: 市販のブルーレイに施された「コピーガード」を解除して音声を抽出することは、個人利用であっても違法です。どうしてもスマホで聴きたい場合は、「アナログ録音」や「付属のダウンロードコード」、「サブスク配信」を利用するのが最も安全な正解です。
バレる・バレない: 自宅でリッピングしただけで、いきなり警察に逮捕される可能性は限りなく低いです。
ブルーレイの音声抽出方法: DVDFab Blu-ray リッピングのように多機能で使いやすいツールを“許される範囲内で”活用すれば、音声の持ち歩きや保存もより快適になります。





