AV1コーデックとは?

AV1コーデックは、インターネット動画配信のために開発された最新の動画圧縮技術です。Alliance for Open Mediaという非営利団体が開発し、GoogleのVP9を基盤に、Daala、Thor、VP10などの技術を組み合わせて作られました。

高画質・高圧縮でロイヤリティフリーという優れた特性を持っており、オンライン動画配信の効率化に大きく貢献できる可能性を秘めています。今後、対応するデバイスやサービスが増えることで、より身近な存在になることが期待できるでしょう。

AV1コーデックのメリット

AV1コーデックはより高画質な映像をより少ないデータ量で配信・保存することが可能。従来のコーデックと比較して同じ画質でもデータ量を大幅に削減できます。データ圧縮率が高いため、低帯域幅の環境でも途切れにくいスムーズなストリーミング再生が可能であるため、ストリーミング配信に最適です。

また、AV1コーデックはロイヤリティーフリーなので、開発者やコンテンツ配信者が、特許料を支払うことなく自由にAV1コーデックを利用できます。5G時代の到来により、高画質・高圧縮な映像コンテンツの需要が高まる中、AV1コーデックは重要な役割を担うと考えられるでしょう。

 AV1コーデックのデメリット

AV1コーデックは、高い圧縮率を実現するために、複雑なエンコード・デコード処理を行います。そのため、従来のコーデックと比較して、CPUやGPUへの負荷が高くなるというデメリットがあります。また、AV1コーデックは、まだ新しい技術であるため、対応するデバイスやソフトウェアが限られているというデメリットもあります。

AV1コーデックに対応しているソフトウェア

AV1コーデックでエンコードされた動画を再生できるソフトには、下記のようなものがあります。

  • VLC media player
  • mpv
  • PotPlayer
  • DaVinci Resolve
  • FFmpeg

AV1コーデックに対応しているグラボ

AV1コーデックに対応しているグラボは以下の通りです。グラボの性能によっては、AV1動画の再生時にCPU負荷が高くなる場合があり、最新のグラボほど、AV1コーデックのハードウェアデコード性能が高い傾向にあります。

NVIDIA

  • GeForce RTX 40シリーズ: RTX 4090, RTX 4080, RTX 4070 Ti, RTX 4070, RTX 4060 Ti など
  • GeForce RTX 30シリーズ: RTX 3090, RTX 3080, RTX 3070, RTX 3060 Ti など
  • GeForce RTX 20シリーズ: RTX 2080 Ti, RTX 2080, RTX 2070 など
  • NVIDIA RTX/Tシリーズ: RTX A6000, RTX A5000, RTX A4000 など

AMD

  • Radeon RX 7000シリーズ: RX 7900 XTX, RX 7900 XT, RX 7800 XT, RX 7700 XT など
  • Radeon RX 6000シリーズ: RX 6900 XT, RX 6800 XT, RX 6700 XT, RX 6600 XT など

Intel

  • Intel Arcシリーズ: Arc A770, Arc A750, Arc A580, Arc A380 など

AV1コーデック / H264 / H265 / VP9の違い

AV1ビデオコーデックはH264/H265コーデックより圧縮率が高く動画の品質も高いです。圧縮率だけを比較すると、AV1はH265より圧縮率が20〜30%向上しています。

AV1コーデックとH264の違い

H264は別名MPEG-4 AVCとも呼ばれる動画圧縮技術規格の一つです。多くのデバイスやプラットフォームでサポートされており、Blu-ray Disc、デジタル放送、ストリーミングサービスなど、さまざまな用途で利用されています。

  AV1コーデック H264
圧縮率
ロイヤリティ フリー 有料の場合あり
画質
互換性
エンコード・デコード負荷

AV1コーデックは複雑なアルゴリズムを採用しているため、エンコードとデコードの際にCPUに負荷が掛かります。一方、H264は負荷が小さめで、さまざまなデバイスやブラウザと互換性があります。

AV1コーデックとH265の違い

H265は、別名HEVCとも呼ばれる、H.264の後継として開発された高効率な動画圧縮規格です。H.264よりも少ない帯域幅で高品質なビデオを配信できるため、インターネット回線が遅い環境でも快適に視聴できます。

  AV1コーデック H265
圧縮率
ロイヤリティ フリー 有料の場合あり
画質
互換性
エンコード・デコード負荷

H265はH264の後継モデルなので、圧縮率や品質においてより高く、AV1コーデックと引けを取らないレベルとなっています。一方、H265は使用の際にライセンスを支払う必要があり、その点はロイヤリティフリーであるAV1コーデックと異なります。

AV1コーデックとVP9の違い

VP9はGoogleが開発した無料のビデオコーデックです。高い圧縮率と画質の劣化しにくさを両立しており、MatroskaやWebMといったコンテナ形式で使用されています。VP9は、限られた帯域幅でも高品質なビデオを配信できるため、インターネット回線が遅い環境でも快適に視聴できます。

  AV1コーデック VP9
圧縮率
ロイヤリティ フリー フリー
画質 より高
互換性
エンコード・デコード負荷

AV1コーデックとVP9はどちらも圧縮率、画質において優れています。どちらもロイヤリティフリーなので特許料を支払うことなく使用することが可能です。

YouTubeをAV1コーデックで再生するための設定方法

YouTube動画をAV1コーデックで再生するには、ブラウザ側とYouTube側での設定が必要です。

ブラウザでの設定方法

Version70以降のGoogleChromeの場合は、デフォルトでAV1コーデックが有効になっているため、設定の必要はありません。

Firefoxの場合は、URL欄に「about:config」と入力して

検索窓で「AV1」を検索します。最後に各項目が「true」になっているか確認してください。

YouTubeでの設定方法

YouTubeにログインしたら設定を開きます。

「再生とパフォーマンス」の中に「AV1の設定」という項目があるので、「常にAV1を使う」を選択しましょう。

AV1コーデックが対応しているか確認する方法

YouTube開発チームが作成した「AV1 Beta Launch Playlist」にはAV1動画のプレイリストが収録されています。

試しに再生して動画の画面上で右クリックをしてください。「詳細統計情報」を選択し「Codecs」の項目が「av01」からスタートしていればOKです。

DVDをAV1コーデックにエンコードする方法

AV1コーデックを再生するだけでなく、DVDをAV1コーデックに変換したいという方もいるでしょう。そんな方におすすめなのが、DVDFab DVD リッピングです。

dvdfab dvd リッピング
DVDFab DVD リッピング【30日間無料体験を提供】
  • 市販やレンタルDVDのコピーガードを数秒で解除できる
  • DVDを1000種類以上の動画・音声フォーマットに変換できる
  • DVDのコンテンツをAV1 MP4もしくはAV1 MKVに変換できる
  • 豊富な詳細設定と動画編集機能を提供している
  • ハードウェアアクセラレーションによる超高速で処理

DVDFab DVD リッピングでDVDをAV1コーデックに変換する方法

Step1
メニューバーで「リッピング」を選択してDVDを読み込む

Step2
ビデオフォーマットでAV1を選択する

出力形式のボタンをクリックしてプロファイルの一覧を表示します。

「ビデオ」の中にAV1がありますのでチェックを入れてオプションを表示させてください。

レンチアイコンをクリックすると、より詳細な設定を行うことができます。

解像度やエンコード方式、フレームレートなどは、こちらから設定しましょう。

AV1のエンコード処理を高速化するハードウェアアクセラレーションを設定していきましょう。

サポートされているGPUは下記の通りです。

  • NVIDIA RTX 40 シリーズ以上
  • AMD Ryzen™ 7000シリーズ以上
  • Intel Arc

設定 > 一般より「A/Vコーデック」を開いてください。「ビデオエンコーダ」の項目の「AV1」の部分を確認します。

グラフィックカードが AVI デコード/エンコードをサポートしている場合は、グラフィックカードが自動で検出されます。サポートしていない場合はソフト処理に頼るしかありませんので「ソフトウェア」と表示されます。

Step3
設定が終わったら「開始」をクリックして処理を始める

まとめ

今回はAV1コーデックのメリットやデメリット、設定方法、DVDをAV1コーデックにエンコードできるソフトなどを紹介しました。DVDFab DVD リッピングを使えば、DVDをAV1 SDR MP4/MKVに変換できます。同社が開発する別ソフトを使えばブルーレイUHDをAV1に変換することも可能です。